法人の決算月はどう決める?失敗しない決め方を税理士が解説

会社を設立する際、「決算月」を決める必要があります。

「決算月は何月がおすすめですか?」
「3月決算や12月決算の方が良いのでしょうか?」

このようなご相談をいただくことがあります。

法人の決算月は一定のルールの中で自由に決めることができ、どの会社にも当てはまる正解があるわけではありません。

この記事では、法人の決算月の基本的な考え方や、決算月を決める際のポイントについてわかりやすく解説します。

目次

法人の決算月は自由に決められる

株式会社や合同会社などの一般的な法人では、決算月を自由に決めることができます。

「法人は3月決算でなければならない」と思われる方もいますが、そのような決まりはありません。

3月や12月以外にも、例えば5月決算や8月決算など、会社の状況に合わせて決めることができます。

なお、決算月は自由に決めることができますが、事業年度は1年以内とする必要があります。

では、実際にはどのような基準で決算月を決めればよいのでしょうか。次に、決算月を決める際のポイントについて見ていきましょう。

なお、会社設立後に必要な手続きについては、こちらの記事も参考にしてください

決算月を決める際のポイント

決算月は自由に決めることができますが、どの月を選んでもよいというわけではありません。

会社の状況や事業内容に合わせて決算月を決めることで、決算時の負担を軽減することができます。

本業の繁忙期を避ける

決算月を決める際は、本業の繁忙期を避けることをおすすめします。

通常、決算月から2か月以内に確定申告をする必要があります。

決算月を迎えると、棚卸や資料の整理、決算作業に申告書の作成など、通常業務以外にもさまざまな作業が発生します。

これらの作業を決算月から2か月以内にする必要があるため、
例えば、12月が最も忙しい業種の場合、10月、11月、12月あたりを決算月にすると、本業と決算対応の両方に追われてしまいます。

決算月は、本業の繁忙期と決算期間ができるだけ重ならない時期を選びましょう。

チェックポイント

繁忙期と決算期間(決算月から2か月間)が重ならない時期を選ぶ。

在庫が少ない時期を選ぶ

商品や製品、材料や部材などの在庫を扱う業種の場合、決算時に棚卸を行う必要があります。

例えば、小売業や飲食業、製造業などでは、在庫が多い時期に決算を迎えると棚卸の負担が大きくなります。

そのため、決算月は在庫が比較的少ない時期を選ぶのも一つの方法です。

決算時の事務負担を減らすことができ、よりスムーズに決算作業を進めることができます。

チェックポイント

在庫が少ない時期を選び、棚卸の負担を減らす。

資金繰りも考慮する

決算月を決める際は、資金繰りも考慮しましょう。

法人税などの申告・納付は、原則として決算日の翌日から2か月以内に行う必要があります。

また、一定規模を超えると、事業年度の途中で中間納付により法人税等を納付する必要があります。
(中間納付は、事業年度の半年経過後から2か月以内におこないます。)

そのため、資金繰りが厳しくなりやすい時期と納税時期が重ならないよう、決算月を検討することが大切です。

チェックポイント

納税時期と資金繰りを考慮して決算月を決める。

なお、法人の税金の納付時期について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

売上のピークを事業年度の前半にする

決算月を決める際は、売上のピーク時期も考慮するとよいでしょう。

特に売上に季節変動がある業種では、決算月によって業績管理のしやすさが変わる場合があります。

売上のピークが事業年度の前半にあると、年間の業績予想を立てやすくなります。

また、利益が大きくなりそうな場合でも、決算まで時間的な余裕があるため、設備投資や節税対策などを検討しやすくなります。

もちろん、必ずしも売上のピークを前半にする必要はありませんが、事業年度を設計する際に可能なら考慮したい点となります。

チェックポイント

売上のピークはできれば事業年度の前半になるよう検討する。

まとめ

ここまでご説明してきたように、決算月に絶対的な正解はありません。

業種や事業内容、繁忙期、資金繰りの状況などによって、適した決算月は異なります。

そのため、まずは以下のポイントを参考に決算月を決めると良いでしょう。

  • 本業の繁忙期を避ける
  • 在庫が少ない時期を選ぶ
  • 納税時期と資金繰りを考慮する
  • 売上のピークは事業年度の前半に

それでも迷う場合は、設立から10か月から12か月程度で最初の決算を迎えるケースが一般的です。

なお、決算月は後から変更することも可能ですが、手続きが必要となるため、できるだけ設立時にしっかり検討しておくことをおすすめします。

会社によって最適な決算月は異なるため、判断に迷う場合は税理士へ相談することをおすすめします。

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