会社を設立した後、多くの経営者が最初に取り組む手続きのひとつが法人口座の開設です。
しかし、法人口座は会社を設立したその日にすぐ作れるわけではなく、開設までに一定の時間がかかります。個人口座とは異なり、通常は審査に時間がかかるため、必要書類もあらかじめ準備しておく必要があります。
口座開設が遅れると、取引先への振込先案内や売上の入金、各種支払いなどに影響することもあるため、設立後は早めに準備を進めることが大切です。
この記事では、法人口座を開設できるタイミングや必要書類、開設までの流れ、注意しておきたいポイントについてわかりやすく解説します。
法人口座はいつから作れる?
法人口座は、会社を設立したその日から開設できるわけではありません。
法人口座の開設には、会社が正式に設立されたことを証明する書類が必要となるため、まずは設立登記を完了させる必要があります。
ここでは、法人口座を開設できるタイミングについて解説します。
法人口座開設は設立登記が完了してから
法人は、設立登記を行うことで正式に成立します。
そのため、法人口座も設立登記が完了し、会社の存在を証明できるようになってから開設手続きを行います。
金融機関では、登記事項証明書などの書類をもとに会社の実在確認を行うため、登記前の段階では原則として法人口座を開設することはできません。
会社設立の手続きを進めている段階であっても、まずは設立登記を完了させ、その後に法人口座の開設手続きを進める流れとなります。
法人口座は設立登記が完了後に開設する。
登記事項証明書の取得後に申込みを行う
法人口座を開設するためには、まず登記事項証明書(履歴事項全部証明書)などの必要書類を準備する必要があります。
金融機関によって必要となる書類は異なりますが、登記事項証明書や印鑑証明書、代表者の本人確認書類などの提出を求められることが一般的です。
これらの書類は設立登記が完了してから取得できるため、法人口座の申込みも設立登記後に行う流れとなります。
必要書類に不備があると手続きが遅れることもあるため、事前に金融機関のホームページなどで確認しておくと安心です。
登記事項証明書などの必要書類を準備する。
法人口座の開設にはどれくらい時間がかかる?
法人口座は、必要書類を提出すればすぐに利用できるわけではありません。
金融機関では、会社の実在性や事業内容などを確認するための審査が行われるため、開設までに一定の時間がかかります。
ここでは、法人口座の開設にかかる期間の目安や注意点について解説します。
通常2週間から1か月程度かかる
法人口座の開設にかかる期間は金融機関によって異なりますが、一般的には2週間から1か月程度が目安とされています。
法人口座の開設では、会社の実在確認や事業内容の確認などが行われるため、個人口座よりも審査に時間がかかる傾向があります。
また、申込内容や提出書類に不備がある場合は、さらに時間がかかることもあります。
取引先への請求書発行や売上の入金口座が必要になるケースもあるため、口座開設を予定している場合は余裕を持って準備を進めておくと安心です。
法人口座の開設には通常2週間から1か月程度かかる。
ネット銀行は比較的早く開設できる場合もある
法人口座の開設にかかる期間は金融機関によって異なります。
一般的には、ネット銀行の方が比較的早く、最短即日から1週間程度が目安となっています。
ただし、実際の開設期間は会社の状況や提出書類、金融機関の審査状況によって変わります。
近年は、ネット銀行をメインバンクとして利用する会社も多くなっていますので、開設スピードだけでなく、手数料や利便性も踏まえて自社に合った金融機関を選ぶことをおすすめします。
ネット銀行は比較的早く開設できる場合がある。
会社設立後はなぜ早めに法人口座を作るべき?
法人口座は、単に売上の入金先として利用するだけではありません。
事業用のお金と個人のお金を分けて管理できるようになるほか、請求書の発行や経理処理など、日々の事業運営にも大きく関わります。
ここでは、会社設立後にできるだけ早く法人口座を開設した方がよい理由について解説します。
請求書に記載する振込先が必要になる
法人口座の開設目的として、まず最初に思い浮かぶのはこれではないでしょうか。
法人を設立して取引先との取引を開始しても、法人口座が開設できていなければ振込先を案内することができません。
一時的に個人口座を案内するという方法もありますが、取引先によっては不安に感じる場合や、個人口座への振込みを避けたいと考える場合もあります。
また、請求書に法人名と個人口座を併記すると、取引先から確認を求められることもあります。
スムーズに取引を開始するためにも、設立登記が完了したら早めに法人口座の開設を進めておくことをおすすめします。
請求書に振込先を記載するためにも、法人口座は早めに開設しましょう。
法人の資産を区別して管理できる
個人事業の場合と異なり、法人の場合は個人と明確に区別して資産を管理する必要があります。
設立後すぐに法人口座を開設することで、法人事業開始時点から法人の資産と個人の資産を明確に区別して管理できるようになります。
法人口座がない間は、やむを得ず個人口座で事業資金を管理するケースもあります。しかし、その状態が続くと、どの入出金が法人のものなのか分かりにくくなってしまいます。
また、法人のお金と個人のお金が混在すると、経理処理に時間がかかるだけでなく、会社の資金状況も把握しづらくなります。
法人口座を利用することで、お金の流れが明確になり、日々の経理や資金管理をスムーズに行うことができます。
法人の資産と個人の資産は分けて管理する。
法人口座で法人資産と個人資産を明確に区分することは、適切な経理処理にもつながります。法人の経費については以下の記事で詳しく説明しています。

法人クレジットカードや各種契約に必要
法人口座は、売上の入金先として利用するだけではありません。
例えば、法人名義のクレジットカードを作成する際には、引落口座として法人口座の登録を求められることが一般的です。
また、事務所を賃借する場合や、各種サービスの契約を行う場合にも、支払口座として法人口座の登録が必要になることがあります。
法人口座が開設できていないと、これらの手続きを進められず、結果的に法人事業の開始が遅れてしまう可能性もあります。
会社設立後の手続きをスムーズに進めるためにも、法人口座はできるだけ早めに準備しておくことをおすすめします。
法人クレジットカードや各種契約にも法人口座が必要になる。
法人口座を開設する際の注意点
法人口座は会社設立後に早めに開設しておきたいものですが、金融機関によって必要書類や手続きの流れが異なる点には注意が必要です。
また、申し込みをしたからといってすぐに口座が利用できるとは限りません。
ここでは、法人口座の開設手続きを進める際に知っておきたい注意点について解説します。
金融機関によって必要書類は異なる
法人口座の開設に必要な書類は、金融機関によって異なります。
一般的には、登記事項証明書や印鑑証明書、代表者の本人確認書類などの提出を求められます。
また、金融機関によっては、税務署へ提出した法人設立届出書の控えなど、事業実態を確認するための書類の提出を求められる場合もあります。
必要書類に不足や不備があると審査に時間がかかることもあるため、あらかじめ金融機関のホームページなどで確認しておくと安心です。
必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認する。
余裕を持って手続きを進める
前述の通り、法人口座は申し込みをしたからといってすぐに利用できるわけではありません。
請求書の振込先として利用するほか、法人クレジットカードの作成や各種契約の手続きなど、会社設立後には法人口座が必要となる場面が数多くあります。
また、創業融資を受ける場合には、融資を受ける金融機関で法人口座の開設を求められるケースもあります。
必要になってから慌てることのないよう、設立登記が完了したら早めに必要書類を準備し、余裕を持って手続きを進めることをおすすめします。
法人口座は必要になる前に余裕を持って開設する。
法人口座の開設以外にも、会社設立後にはさまざまな手続きが必要になります。会社設立後の手続き全体については、こちらの記事でも解説しています。

まとめ
法人口座は、会社設立直後から開設できるものではなく、設立登記が完了し、必要書類を準備した上で申込みを行う必要があります。
また、法人口座は個人口座よりも審査に時間がかかることが多く、金融機関によっては開設までに数週間以上かかる場合もあります。
法人口座がないと、請求書への振込先の記載や法人クレジットカードの作成、各種契約の手続きなどに支障が出ることがあります。
そのため、会社設立後はできるだけ早めに法人口座の開設準備を進めることをおすすめします。
法人口座の開設は会社設立後の重要な手続きの一つです。設立後に慌てることがないよう、登記完了後は早めに準備を進めましょう。

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